お話組曲について【ジュニアピアノステージ】(子供のピアノ発表会プログラム)

🎵動物の謝肉祭🎹

 

皆さん、こんにちは😊

 

ピアノ科では、年に一度、ジュニアピアノステージと銘打つ発表会を開催しています。

それぞれお気に入りの曲を披露したり、お友達と心を合わせて連弾したり…蒲田音楽学園でピアノを学ばれている皆さんの、メインイベントですね✨

そのプログラムの中に、「お話組曲」という連弾のコーナーがあります。

2026年の演目は「動物の謝肉祭」。

今回は、その「動物の謝肉祭」について、少しお話しさせて頂きますね♪

 

🎵動物の謝肉祭のアウトライン🎹

 

色々な動物の名前が付けられた、14曲の小品からなる組曲仕立てになっています。

副題が「動物学による大幻想曲」。動物たちの華やかなパレードを、自然科学にも造形が深かったサン・サーンスが鋭く(!?)観察している、そんな感じです。

さながら動物園に遊びに来たような、そんな楽しさがある、と思って頂いてOK!

⇒後述しますが、ブラックユーモアが散りばめられている楽曲でもあるんです👀

 

オリジナルでの演奏は、2台のピアノと室内楽の楽器で編成されており、ナレーション付きの事も多いです。でもナレーションは、実はオリジナルにはありません。なので、そのシナリオの内容で印象が変わってきたりする楽曲でもあります。

⇒JPSでは、ピアノ連弾用に編曲したものをナレーション付きで演奏するよ♪

 

🎵作曲者はどんな人物?🎹

 

作曲者のカミーユ・サン・サーンス(1835年〜1921年)は、フランスのパリで生まれました。

彼は、作曲だけでなく、ピアニスト、オルガニストとしても国際的に活躍しました。

また、同じフランスの作曲家たちと「国民音楽協会」を設立。フランス人による作品が広く世に広められたり、作曲家たちの収入の安定にも繋がったり、という功績も残しています。

⇒数々の名曲を生み出している彼ですが、1908年に映画のための音楽を作曲。その曲は、「恐らく世界で初めての映画音楽である」と言われているそうです♪

 

🎵いつ、何のために作られたの?🎹

 

1886年の謝肉祭の時期に、お友達の催すプライベートな夜会のために作曲されました。

仲間内でのこの初演では、サン・サーンスが自らピアノを弾きました。

ちなみに、ピアノ2台、弦楽五部(第一、第二バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)、フルート、ピッコロ、クラリネット、木琴、グラスハーモニカ(チェレスタで代用)でした。

⇒個人のサロン(広くない)での演奏だから、金管楽器が使われてなかったらしいよ👀

 

🎵そもそも、謝肉祭ってどんなお祭りなの?🎹

 

カーニバルとも言いますが、元々は、カトリックを主な宗教とする国で、イースター(キリストの復活祭)の前に肉断ち(肉を食べない)などをする節制期間「四旬節」があり、それに先立つお祭りでした。

キリストに思いを馳せ、飲食に限らず生活全般に渡って心身を清め、イースターを迎えましょうという「四旬節(40日の期間)」の前に、「いっぱい食べて楽しく遊んでおこう!」という主旨のお祭り、と言えるようです。

 

元々は宗教色が濃いカーニバルですが、現在は、色んな国の多種多様な形があります。仮装やパレードでお祝いされる事が多いカーニバルは、欧米の子どもたちの楽しみにしているお祭りのひとつとなっています。

⇒謝肉祭は、元々は「肉よさらば!」の前のお祭りなんだね👀

 

🎵全14曲の曲名は?🎹

 

  1. 序奏とライオンの行進曲: 堂々としたピアノと弦楽器のテーマ
  2. 雌鶏と雄鶏: ピアノと弦楽器が鶏の鳴き声を描く
  3. ラバ: ピアノが音階を速いテンポで上り下り駆け回る
  4. : 弦楽器がオッフェンバックの「天国と地獄」のギャロップをゆっくり演奏
  5. : 低音楽器のコントラバスがワルツを奏でる
  6. カンガルー: 装飾音符がついた和音を用いて、飛び回る様をピアノで模倣
  7. 水族館: グラスハーモニカ(またはチェレスタ)の幻想的な響き
  8. 耳の長い登場人物: バイオリンの甲高い音でロバの鳴き声を模倣
  9. 森の奥のカッコウ: クラリネットが鳴き声を模倣
  10. 大きな鳥かご: 弦楽器によるトレモロの上をフルートが軽やかに飛び回る
  11. ピアニスト: ピアニストの音階練習の描写
  12. 化石: フランス民謡や過去の有名な旋律が聞こえてくる
  13. 白鳥: 全14曲中最も有名。ピアノ伴奏と共に奏でられるチェロの名曲
  14. フィナーレ: これまでの動物が再登場する華やかなカーテンコールと締めくくり

 

🎵動物の謝肉祭こぼれ話🎹

サン・サーンスが存命中に出版や演奏されたのは「白鳥」のみ。他の曲は、サン・サーンス自身が、自分が存命中の出版、演奏を禁じました。

え?いったい何故!?

実は、他の作曲家が作曲した旋律を、そのままパクって、もとい引用しているから、と考察されています。

またその引用の方法が、パロディーと言えるような、皮肉めいた、ブラックユーモアに満ちたものと言えるような…なんです。

さすがに、そんな風刺的な曲を世に出すのはまずい、と本人も思ったのかもしれません。ですが、ハッキリとは解明されておらず、謎、といえば謎のようです。

曲の評判だけは拡がっていたようで、彼が亡くなった次の年、1922年には早速出版され、その後は、描写音楽を代表する名曲として世界中で親しまれています。学校の音楽の授業で聞かれた方も多いのではないでしょうか。

 

さて、そのパロディ部分を具体的に確認してみるとしましょうか。

全14曲の全部に、パロディ的な揶揄?が表されている訳ではありません。念のため。

 

第4曲 亀

有名なオッフェンバックの「天国と地獄」〜運動会でよく聞きますね!〜が、亀さんがフレンチカンカンを踊るとこうなるよとなるばかりに、のそのそと、わざとゆ〜っくり、演奏されます。

 

第5曲 象

コントラバスが、もそもそと、でもけっこう軽やかに?ワルツを奏でます。そもそも、コントラバスのような重低音の楽器がメロディを担当する事は珍しいんです。でも、コントラバスの音色は、超重量の象がワルツを踊る♪のにぴったりですね!

そして、この「象」の曲には、ベルリオーズの「妖精の踊り」や、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のメロディも出てきます。どちらも「妖精」がテーマの曲ですから、重たーい象さんが、軽―い妖精の羽を付けて、ワルツを踊っている?風景だったりして。何ともユーモラスな、いえ、もしかしてシュールとも言える光景かも!?

 

第8曲 耳の長い登場人物

バイオリンの高い音と低い音が交互に極端に、まるでしゃっくりを表しているように奏でられます。これはずばり、サン・サーンスの音楽に嫌みな評価を下していた評論家への皮肉を表している、と言われていますが、真相は藪の中…作曲者本人は、そんな事、言っていませんから。

音色そのものから、耳の長いロバをフランス人は思い浮かべるらしいのですが、ロバは、フランスでは、「のろま」の代名詞でもあるそう。かつてフランスの学校では、宿題をしてこないような不真面目な生徒に対して、ロバの耳をかたどった帽子を被せて教室の隅に立たせるという懲罰もあったそうで、誰かにロバの帽子を被せて行進させている図?うーん…

 

第11曲 ピアニスト

出版社(作曲者でなく)の注記として「初心者の下手な演奏を真似するように」と載っています。何と!しかも、延々と音階練習が続いている…!

ピアニストは、華やかなコンサート演奏の陰で、地道な基礎練習(音階)に追われる哀れな動物である、という自虐ネタ(サン・サーンス自身もピアニスト)?ムム…それともユーモア?

ちなみに、音階の練習は、全ての基礎と言っても過言ではありません。とても重要なんですよ。ゆめゆめ怠らないで下さいね。急がば回れです。

 

第12曲 化石

さて、いったい何の化石?のギモンが沸きますが、サン・サーンス自身が、自筆譜に恐竜のイラストを描いているそうなので、「恐竜の化石」なのね、とあっさり解決です。

この曲では、多くの旋律が多くの曲から引用されています。

まずメインの旋律は、自作の「死の舞踏」の中の「骸骨の踊り」。骨をカチカチ言わせながら恐竜の化石が死者の踊りを踊っている、といったような光景がシロフォンで表現されています。そういった、ちょっとユーモラスで不気味な感じから、続いて、「きらきら星」、「月の光に」といったフランス民謡でメルヘンチックな世界へ。他にも、ロッシーニの「セビリアの理髪師」の中のアリア等々。「化石」のタイトルからすると、これらの曲を、古い「時代遅れのもの」として皮肉っているのでしょうか?そんな単純な話だけではない、もっと深〜い意味もありそうな…

 

第13曲 白鳥

全14曲中、単独で作者存命のうちから出版、演奏された唯一の曲。現代でも、組曲から離れて単独で演奏される事も多い不朽の名作✨この曲には、皮肉もユーモアも何もありません。

ピアノ伴奏の流れるような調べに乗せて、チェロの心地よい音でこの上なく美しい旋律が奏でられ、まるで白鳥が優雅に泳いでいるかのよう…

私ごとですが、筆者は幼少期、この曲を、「眠りにつく時」や「目覚める時」に両親からいつも聞かされて育ちました。なので、白鳥のメロディを耳にすると、何とも言えない懐かしい、じーんとくる気持ちになっていました。「自分の曲」と信じて疑いませんでした。成長して「自分の曲という訳ではない」と知ってからも、呼び起こされる気持ちに変わりありませんでした。刷り込みって凄いですね。すっかり大人になった今は、そんな気持ちにまではなりませんが、もちろん、大好きな曲です。

 

第14曲 フィナーレ

軽快な主題に載せて、それまでの各曲の旋律、つまり「動物たち」がカーテンコールのように再登場して、フレンチ・カンカンをみんなで踊る、といった構図でしょうか。賑やかに華やかにパレードは締めくくられます。

 

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いかがでしたか?

サン・サーンス自身が、書簡でこの曲の事を「滑稽な音楽」と表現しているように、「動物の謝肉祭」は、実にユーモアに溢れた、時にブラックユーモアとも言えるようなパロディ色の強い楽曲だったのですね。

ともあれ、動物の謝肉祭の中の曲は、皆さんが一度は耳にした事があるメロディが多く含まれており、親しみを覚えたりもする事でしょう。

 

それでは、来る6月28日開催の、ジュニアピアノステージでの連弾による演奏を、

どうぞお楽しみに♪

 

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