先日レッスンの途中、突然自分の楽器の音が出なくなった。
「あれっ?んっ……?」
もしやもしやと楽器を見ると……

キーの間に挟んである調整紙が外れている。
フルートのキーには部分的にティシュペーパーの厚さくらいの紙を1ミリ四方くらいに切った調整紙というものが挟んであるのだが、それが外れると見事にフルートの音はスカースカーと出なくなる。
原因は…この時期、冷房のかかったところで楽器を吹くと管体の中の空気は呼気で暖まり管外との気温差で洪水かと思うほどの結露が出る(この事情を知らない方のために説明するこの結露は結露であって唾ではないです……コロナの時にかなり誤解する方がいたので念のため……)その結露がトーンホールから調整紙に染みてしまうと調整紙がふやけてピラっと取れてしまうのだ。
なので、ある一定時間吹いたら念入り結露を取るためスワブを通すのだが、それでも時々こういうことが起こる。
「あちゃー(涙)」
気持ちも一気にブルー………
昔あるリペアマンの方の元で簡単な調整紙の応急処置のやり方は修行したのだが、たった1枚の薄い紙をどう挟み、他のキーとの微妙なバランスも取らなければならないので、この調整は難しいのだ。
修行したといえども所詮リペアにおいては素人なので、いつもお願いしているゴッドハンドのリペアマンのようには調整できない。
よって、トラブルが起きたらリペアマンさんのもとへ………
こういう事態を避けるために楽器はスペアも含め、何事がなくても半年経たないくらいのタイミングで調整に出している。
楽器を吹いている内にキーを押す指の力の加減でパッドに傾きが出てくると、パッドの塞ぎが悪くなってくる。
そこまでの状態にならなくても、こちらが楽器の状態は大丈夫かなと思っていても調整に出すと、「パッドが一部シワがよっていたので変えときました」とか「頭部管のヘッドコルクが擦り減っていたので変えときました」とかこちらが気づかないようなことをリペアしてくれ、よって大きなトラブルを未然に防いでくれる。
この時期、吹奏楽コンクールのレッスンで色々な学校に伺うことも多いのですが、時々なかなか上手く音が出ない生徒さんがいて、楽器の状態を見せてもらうとキーを閉じるとトーンホールの間がスッカスカに隙間が空いていたり、パッドが麦茶でも染めたのか?!というくらい茶色く変色して湿気で膨らんで劣化していたり、はたまた謎の凹みがあったりと。
「楽器、調整出してる?」
と訊くと、
「チョウセイって???」
とそれって食いもん?くらいの勢いで聞き返されたりして、そんなギリギリの状態の楽器でもって、息漏れするので余計な指の力でギュウギュウとキーを押して、難しいパッセージを「指が回らない」といいながら無理して吹いていたりするのを見ると涙ぐましく思えてくる。
そういう時は応急処置的に出来る限りの簡易な修理はしてあげるけど所詮、応急処置である。
技術をしっかり身につけることは大事だけどそれと共に楽器は定期的に調整に出しましょう!
それによって吹奏感が改善することもかなりある。
それと、楽器の扱いは丁寧に!
楽器のジョイント部にホコリがついたままジョイントしてしまうとキズの原因に。場合によってはそれが原因で抜けなくなることや差し込みずらくなることもあるので、楽器を組み立てる場合にはジョイント部はクロスで一度拭きましょう!
また、組み立てるときはジョイント部同士を真っ直ぐ差し込む。
曲げて組み立てたりするとジョイント部が歪み、最悪足部管が脱落することがある(目撃経験あり……怖っ)
前述、結露対策のためにスワブは細めに通すこと(音の裏返り対策にも効果あり。パッドは急激な湿気と乾燥を繰り返すと劣化しやすいので、スワブを細めに通すのはパッドの寿命を延ばす。万一パッドに結露が付いた場合は早めに油とり紙のようなもので水気をとる。結露がつかなくてもパッドが湿気ているような音がしたらペーパーをはさむ。)
そして結露を拭き取ったスワブは湿るので定期的に手洗いを。(放置するとカビの原因に。健康にもよくない。スワブも使用する内に微かな埃が付着するのでそのままそれで楽器を拭くとキズの原因に。なのでスワブも定期的に手洗いしましょう。)
楽器に汗は大敵。
ネジの部分から汗が入ると連結ネジが錆びて動かなくなるので、演奏前には手を洗おう。
金や銀の価格がかつて無い高騰をしている昨今、中古の楽器が人気なのだが、現行のモデルを新品よりリーズナブルに購入できた!とか言っても、いざ吹こうとするとパッドの状態がよくなかったり、キーにガタがあったりして結局はオーバーホールが必要だったりすることもあるので、中古を買う場合は状態をよく見ることが必須。
人間が定期的に健康診断を受けるが如く、楽器も定期的に調整に出して、お持ちの楽器は皆さん末永く大事に大事にしましょう!
おかげで今回のブログは自分の楽器トラブルから1つお話しを書けました。
これも「ケガの功名」か……(そんなことを言ってる場合ではない…)
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