今回は笛はフエでも篠笛のおはなし。
知り合いが篠笛を始めたいというので、それにあたり楽器を選定して欲しいと頼んできた。
「え····?」
フルート奏者だから篠笛は吹けるでしょう、というつもりだと思うが、自分は篠笛を吹いたことなければ手にしたこともなく楽器の知識も全くない···。
しかも選定って個体差を吹き分けられるのか?!
でも音を出す原理は同じだから吹ける(だろう············多分)
そういう話しがあって数日後、レッスンを終えてから蒲田の駅ビルの連絡通路をぶらぶら歩いていたら、大田区の伝統工芸職人の展示、実演をやっていて漆工芸や釣竿を作る職人さん達の並びに篠笛や龍笛を作る笛師の職人さんのブースがあった。
大田区にもこういう職人さんがいるんだね~、とその時は眺めるくらいの程度の感じしかなかった。
選定は浅草の和楽器を扱う店に伺うことに。
和楽器の店なんか入ったことないので、何となく少し緊張····。
お店に入ったら多くの種類の篠笛がまるで文具店のボールペンのように棚に入っていて、どれがどれだか知り合いと共に迷う。
明るい店内で、感じの良い男性の店員が「どんどん手に取って吹いてみて下さいね!」と声をかけてくれる。
フルートだと厳重に管理されたガラス張りのショーケースに入っているものなので自由に試奏できるのも驚きだが、何しろ種類が多い。
だいたい2万円!くらいの楽器を購入すればよい、とネットで仕入れた知識を元に「えーと、えーと」と悩んでいたら別な作務衣姿の男性が声をかけてくれた。
- ··声をかけて頂いたのは偶然にも先日の大田区の笛師の職人さんで、😲
色々説明もしてくれ、職人さんに乗せられるまま試奏もして知り合いは1本購入。
予算よりグレードアップした、かなり稀少な木目の素材の篠笛だった。
後日、その篠笛をお借りして吹いてみた。
和笛の場合は西洋の管楽器のようにビブラートもかけないし、タンギングというものがなく、同じ音が続く場合い指切りという動作で音を区切るのだが、油断するとついついタンギングをしてしまう。
そして何より難しいのが音程。
フルートだと頭部管の抜き差しでピッチが変化できるのと、そもそも今の管楽器は改良がかなりされているので音程の修正は比較的やりやすいのだが、篠笛の場合構造が簡単で楽器自体が古の時代から現在に至るまでほぼ原形をとどめていて改良がされておらず、素材が竹を使っているが故に気温にも左右され、音程はかなり不安定で音律をとるのが難しい。
でもかえってこの不自由さが奏法に幅があって、こちら側のアプローチの工夫次第で色々変化するのでこれはこれで面白い。
こうやって慣れない新しいことを始めたりすると「出来ないことは楽しい!」という感覚になるのは新鮮。
(これはどの楽器にもいえると思います)
ちなみに篠笛のレッスンは私はしていませんのでご了承ください····(当たり前か··)
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