今日は少し真面目な話を😌
今から4年前の2019年11月、中国で新型のウイルスが流行というニュースが流れました。
この時は「新型インフルエンザか何かかなあ?」ぐらいで、さりとて気にもせず、対岸の火事くらいに思っていました。
年が明けて2020年、今年は東京オリンピックがあるんだね、と思っていた矢先の2月、横浜港に着岸した豪華客船内で乗客が新型ウイルスに集団感染し死者も出ている、無症状の乗客はそのまま検査もせずに帰宅···というニュースを聞いた時は大丈夫か?と身構えました。
そこから更に1ヶ月、新型ウイルスはコロナウイルスという名であること、そして自分のことで書くと、ウイルス感染防止の策という名目のもと演奏の仕事はバタバタと放物線を描くように無くなってゆき、更にその後緊急事態宣言という名のもとにレッスンの仕事もパッタリ無くなる···。
13年前の東日本大震災の時も計画停電と、こんな時は歌舞音曲は自重せよという半ば世間の同調圧力の中で2ヶ月くらいはいわゆる自粛というものを強いられました。
今度のコロナ禍もそれに似たり寄ったりで、いや、それ以上の色々な意味で厳しい状況で、中でも我々管楽器奏者は飛沫を自ら発しているような、まるで悪の権現!みたいな感じで世間からは見られているようでした。😔
中でも世間の偏見が多かったのが「フルートの管体から落ちる水滴は唾だ、だから演奏するな!自粛しろ!」
(知り合いの金管楽器奏者にいたっては、ただケースに入れた楽器を持っていただけで電車の中で見ず知らずの男性にいちゃもんをつけられたらしい···怖)
皆さんは理科で水は熱を加えると気体化し、逆に冷やすと液体化するというのを勉強したと思いますが覚えていますか?
つまり外気温と内気温に差がある時、普段空気中では気体になっている水は気温差で液体化します。(いわゆる結露よばれるものです)
つまりフルートも呼気によって管体内部が温められると、管体の外気温と温度差があると管体内部に結露が出る、これが管体から落ちる水滴の正体で、唾ではありません。
この年の6月にある大手楽器メーカーが空調機器メーカーと協力して管楽器飛沫可視化実験というものを行ないました。
····それによると
#管楽器は全般的に発声ほどの多くの飛沫は飛ばない
#フルートはタンギングの際などに奏者の顔の正面に向かってごく少量の飛沫が発生する
#金管楽器演奏時は飛沫より小さな微粒子がわずかに発生
#金管楽器をマウスピースだけ演奏すると飛沫が発生
#金管楽器の水抜き(ツバ抜き)の際には飛沫が発生
#リード楽器(この実験ではサックス)は飛沫の観測は無し
その後、別のある業界団体からはコンサートホールでは演奏者と聴衆との距離を1.5mとれば問題ないというガイドラインも出ました。
このレポートが出た時はこれで少しは誤解が解けて事態は好転かと思いましたが、なかなかこのレポートは浸透しなかったのではと思います。
一方である楽器店がフルート演奏時の飛沫を防ぐ為、フルートセーフティガードなるものを製作、販売し始めました。(写真参照)
フルートセーフティガード
微粒子程度の飛沫という検証結果がありながらそんなのいるのかな?と思っていましたが「これからの時代、これは今後絶対必要ですよ。」という楽器店に勧められるがままに購入。
周りで使っている同業者はそれほどいないなあ、とか思いつつも···。😢
マスクになっている部分は不織布なので息は通るので音色や吹き方に影響はないというものの、自分の口の前にそのガードがあって遮られているという心理と物理的にもやっぱり影響はあるように感じ、やはり吹きにくい。
あるコンサートでは主催者側から「管楽器の飛沫検証実験のレポートが出ているのは知っているが、聴くほうから飛沫の抗議があると面倒なので、そのセーフティガードをつけてください」という、まさしく謎な??注文があったりしました。
因みにそのセーフティガードやらは今は全く使っておらず、同業者でも使っている方はお見かけせず····。
今回のコロナ禍は未知なるウイルスの恐怖や不安、そしてマスコミやインターネットに溢れかえる様々な情報によって、色々な場面で猜疑心、先入観、偏見、差別と考え方や立場を二分することになった、されることになったと言えます。
見えないものへの不安は無知であることから来る恐怖と共に必ず憶測やデマを生じます。
それは仕方ない部分はあるにしても····🤔
我々管楽器奏者の立場からは偏見や誤解がないような啓蒙と共に今一度コロナ禍への対策、対応の検証が必要かもしれないですね。😊
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